年収(額面)と手取りの計算方法|年収と手取りの違い

年収(額面)と手取りの計算方法|年収と手取りの違い

ご存知の方も多いかと思いますが、年収と手取りは違います。

年収1,000万円の人はまるまる1,000万円をもらえるわけではありません。

この記事では、年収のうちの手取りの計算方法や、年収と手取りの違い、年収の中の手取りの割合などについて解説します。

税金や所得控除についても解説したので、もしかしたらあなたにとってお得な情報もあるかもしれません。

年収(額面)と手取りの計算方法は「年収-控除=手取り」

年収(額面)と手取りの計算方法

年収と手取りの金額は「年収-控除=手取り」という計算式で表されます。

では次に、控除とは何かについて見てみましょう。

控除とは?

控除とは収入(年収)から天引きされるもので、大きく分けて「所得控除」と「給与所得控除」の2つに分けられます。

2つの違いは以下です。

・給与所得控除…会社の給料からすでに引かれている所得税などの各種税金(控除)。
・所得控除…ある一定の条件を満たした人が、申告することで差し引かれる控除。

給与所得控除と所得控除それぞれに、どんな控除があるのか解説します。

給与所得控除の内容

給与所得控除の内容

給与所得控除とは会社員にとっての経費のようなもので、次のようなものがあります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 介護保険料(40歳から64歳までの従業員)
  • 雇用保険料

給料からすでに引かれているものなので、自分で申告する必要がありません。

給与所得控除の金額は収入に応じて、次の表のようになります。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40% 650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

参照元:給与所得控除|国税庁

40歳以上の従業員が対象になる介護保険証や、給料からの天引きに設定している保険料など、個人によって支払いの項目は異なり、複雑な計算になります。

所得控除の内容

所得控除は、ある一定の条件を満たす人が所得から差し引かれる控除で、例えば子供の有無(扶養控除)や、一年間にかかった医療費(医療費控除)の金額などによるものです。

所得控除の種類には、次の全14種類があります。

  1. 基礎控除
  2. 医療費控除
  3. 雑損控除
  4. 寄附金控除
  5. 生命保険料控除
  6. 地震保険料控除
  7. 社会保険料控除
  8. 小規模企業共済等掛金控除
  9. 寡婦・寡夫控除
  10. 勤労学生控除
  11. 障害者控除
  12. 配偶者控除
  13. 扶養控除
  14. 青色申告特別控除

参照元:所得金額から差し引かれる金額(所得控除)|国税庁

14種類ある所得控除の内、基礎控除は誰でも適用されるものですし、あなたが適用される控除で今まで知らなかった控除があるのではないでしょうか。

手取りの金額を計算する際に、年収から差し引かれる控除とは、ここで説明した給与所得控除と所得控除の2つを足したものです。

給与所得控除と所得控除は混同されやすいものですが、別物であることを覚えておきましょう。

年収300万円(月収約25万円)の人の手取りをシミュレーション

年収300万円(月収約25万円)の人の手取りをシミュレーション

年収300万円(月収約25万円)の人の手取りは約240万円となります。

計算は以下のようになります。

年収300万 – 社会保険料(43万円) – 所得税(6万円) – 住民税(12万円) = 約240万円(239万円)

年収300万円(月収約25万円)で扶養家族がいない人の設定で、手取りをシミュレーションしてみました。

計算シミュレーションでは、一般的な給与所得控除となる

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 健康保険料
  4. 厚生年金保険料
  5. 雇用保険料

の5つが差し引かれるものとして計算します。

※給与所得控除(108万円)とその他の基礎控除の計算は省略

社会保険料3つ(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)の計算

社会保険料3つ(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)を合わせた金額は約43万円

社会保険料3つ(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)は基本的に年収の14.22%ほどになるので、

300万 × 14.22% = 約43万円

になります。

所得税の計算

所得税の計算

年収300万円の所得税は約6万円です。

以下、計算になります。

所得税控除の合計額は

給与所得控除(108万円) + 社会保険料控除(43万円) + 基礎控除(38万円) = 189万円

となります。

よって所得税の課税対象額は

300万円 – 189万円 =111万円

となります。

この所得税の課税対象額111万円に5%をかけると、約6万円となります。

住民税の計算

年収300万円の住民税は約12万円です。

計算は以下のようになります。

住民税控除の合計額は

給与所得控除(108万円) + 社会保険料控除(43万円) + 基礎控除(33万円) = 184万円

よって住民税の課税対象額は

300万円 – 184万円 =116万円

となります。

住民税額は課税対象額に税率10%をかけて、均等割5,000円を足して、調整控除2,500円を引いて計算します。

116万円 × 10% + 均等割5,000円 – 調整控除2,500円 = 約12万円

年収300万円の人の手取り

以上の計算から、年収300万円の手取りの計算は次のようになります。

年収300万円 – 社会保険料(43万円) – 所得税(6万円) – 住民税(12万円) = 約240万円(239万円)

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年収は手取りのことではない?違いは?

年収は税金が差し引かれる前の金額

年収は手取りのことではない?違いは?

年収とは、年間の総支給額から税金(所得税や住民税など)や、保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)が差し引かれる前の金額のことをいいます。

そして税金や保険料が差し引かれたあとの、実際に手元に残る金額を手取りといいます。

年収のことを「額面年収」といったり、手取りのことを「手取り年収」という言い方をすることもあります。

年収のうち、手取り金額の割合はいくら?

年収のうち、手取り金額の割合はいくら?

手取りは年収の約8割となります。

上記で解説した、年収300万円の人の手取りが240万円である例を見ても、手取りは年収の8割という結果になっています。

次の項で紹介する、年収ごとにおける手取りの早見一覧表を見ても、どの年収においても手取りの金額が総支給(年収)の約8割であることが分かります。

年収と手取りの早見一覧表

厚生労働省と国税庁の税率をもとに、年収と手取りの早見表を作りました。

年収 手取り 割合
200万 170万円 8.5割
300万 242万円 8.1割
400万 319万円 8.0割
500万 395万円 7.9割
600万 468万円 7.8割
700万 535万円 7.6割
800万 600万円 7.5割
900万 620万円 6.9割
1000万 698万円 7.0割

年収から差し引かれる控除には、所得税、住民税と社会保険料(年収×0.14)で計算しました。

控除として差し引かれる金額は個人によって差があるので、おおよその数字となっています。

年収にボーナスは含まれる?

年収にボーナスは含まれる?

年収にボーナスは含まれます。

その他、業務でかかった通勤手当(交通費)や残業代、役職手当など、総支給される金額すべてを合わせて年収となります。

自分の年収が分からない場合は源泉徴収票を見れば分かります。

新入社員や年代別のボーナス平均について知りたい方はコチラの記事へどうぞ。

民間のボーナス平均は何ヶ月分?年代別・新入社員の手取りは?

民間のボーナス平均は何ヶ月分?年代別・新入社員の手取りは?

年収と手取りの平均・推移

年収と手取りの平均・推移

国税庁のデータをもとに、平成29年の平成年収と平均手取りを男女別の表にしました。

平均年収 平均手取り
男性 531万円 約390万円
女性 287万円 約220万円
432万円 約305万円

参照元:平成29年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁

男性と女性で大きな差があり、女性の平均年収が全体の平均年収を引き下げていることが分かります。

次に平均年収の推移を見てみましょう。

平均年収 伸び率
平成19年 437万 0.5
20 429万 -1.7
21 405万 -5.5
22 412万 1.5
23 409万 -0.7
24 408万 -0.2
25 413万 1.4
26 415万 0.3
27 520万 1.2
276万 1.4
420万 1.3
28 521万 0.1
279万 1.3
421万 0.3
29 531万 2.0
287万 2.6
432万 2.5

男女別のデータがあるのは、平成27年以降となります。

伸び率は前年の数字と比べたものです。

日本経済は「戦後最長の景気拡大」とも言われていますが、実感はないものですね。

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まとめ

手取りとは、年収から所得税と住民税、社会保険料を差し引いたものです。

個人の有する条件などによって、所得控除の金額が変わるので、課税所得の金額は人によって異なります。

概して年収における手取りの割合は8割ほどとなります。

みなさんにとって、自分の所得や払っている税金を見直す機会になれば幸いです。