個人事業主の確定申告のやり方と流れ【必要書類・経費・税金】

個人事業主の確定申告のやり方と流れ【必要書類・経費・税金】

毎年2~3月にやってくる確定申告。

初めて確定申告をする方も、そうでない方も所得や経費、所得控除の仕訳は大変な作業です。

この記事では個人事業主の方で

「確定申告のやり方が分からない(忘れた)!」
「確定申告書には何を書くのか?」
「経費の出し方や領収書の扱いはどうする?」
「税金の納め方は?」

という方のために、確定申告のやり方について簡単に、その内容や流れを解説しています。

税理士への依頼費用や、確定申告をしないとどうなるのかなど、気になる点についてもお答えします。

個人事業主の確定申告のやり方

確定申告の必要書類に書く内容や、経費の計上、税金の納め方などについて見てみましょう。

確定申告で提出する必要書類

個人事業主が確定申告で提出する書類は次になります。

  • 確定申告書B
  • 収支内訳書(白色申告の場合)
  • 所得税青色申告決算書(青色申告の場合)

白色申告の場合は確定申告書Bと収支内訳書の2枚。

青色申告書の場合は確定申告書Bと所得税青色申告決算書の2枚となります。

白色申告と青色申告の違いに関してはこちらを御覧ください。

確定申告書Bは白色と青色どちらの場合でも、提出することになります。

確定申告書Bの内容

確定申告書Bは2ページあり、1ページ目には事業収入や所得控除を記入します。

2ページ目には屋号や所得の内訳、雑所得、住民税に関する事項を記入します。

確定申告書Bと一緒に、添付書類として所得控除(所得から差し引かれる金額)の証明になる書類を台紙に貼り付けて提出します。

確定申告書にはAとBがありますが、Bの簡易版であるAを提出するのは会社員の方で、個人事業主はBを提出します。

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収支内訳書・所得税青色申告決算書の内容

収支内訳書・所得税青色申告決算書には事業の売上や経費の内訳、所得金額を記入します。

売上は個人の収入と同じと考えてもよいでしょう。

その他、あなたの事業に関する情報を書きますが、屋号は特に決めていなければ、あなたの名前でも構いません。

事業所の所在地は、自宅で仕事しているなら自宅の住所で大丈夫です。

事業を始めて間もない方や、個人事業主として初めての確定申告をする方は、屋号や事業所の所在地に戸惑う人も多いと思います。

経費にできるお金、できないお金は?

確定申告で経費にできるお金は、事業に関わるもの、事業の利益を追求するために使われたお金です。

事業主自身のためのプライベートで使われたお金は経費にできません。

経費にできないお金

経費にできないお金を具体的に見てみましょう。

●経費にできないお金(横にスライドできます)

支払いの内容
事業と無関係の飲食代、交際費 家族・友人などプライベートなものはNG
スーツ、靴 プライベートでも利用するものなのでNG、作業服は経費になる
所得税、住民税などの税金 経費にできる税金もあるが、所得税と住民税は不可
年金と保険料 経費ではなく所得控除になる
生命保険料や損害保険料 経費ではなく所得控除になる
家賃 自宅が職場の場合は按分計算で経費になる
出張先での観光費 出張先での個人的な観光費は不可
事業主の給料 従業員、外注の給料は経費になる

スーツや靴はプライベートでも使うことがあるとの理由で経費にはできません。

経費項目にはならないけど、所得控除として税金を安くできる保険料などの項目は見落とさないよう注意が必要です。

経費にできるお金

確定申告で経費にできるお金は事業に関連のあるものですが、例えば次のようなものがあります。

  • 仕事で使う道具や備品
  • 取引先の方との接待交際費(お土産代含む)
  • 出張費、交通費
  • 事業と関係がある方へのご祝儀袋や香典
  • 従業員、外注への報酬
  • 書籍・DVD(事業に関連のあるもの)
  • オフィスの設備や機器の修理費

何となく見当のつくものから意外なものまでありますので、あなたの支出を一度見直してみるのもいいと思います。

経費となるお金「勘定科目」

白色申告の収支内訳書や、青色申告の損益計算書では、経費となるお金は「勘定科目」として、以下のように表記されています。

租税公課、荷造運賃、水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、接待交際費、損害保険料、修繕費、消耗品費、減価償却費、福利厚生費、給料賃金、外注工賃、利子割引料、地代家賃、貸倒金、雑費、専従者給与

なかには内容が分かりやすいものと分かりにくいものがあります。

経費にできる税金「租税公課」

税金は経費にならないと考えられるのが一般的ですが、個人事業税、固定資産税、不動産取得税、自動車税など経費にできる税金は租税公課に分類されます。

減価償却費とは、仕事で使うものが高価なものであった場合に、その年の経費として一括計上するのではなく、耐用年数に応じて、分けて計上するものです。

詳しくはこちらの記事をご確認ください。

節税に有利!減価償却の計算方法、耐用年数を例で解説

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領収書の提出は必要?

確定申告では領収書を提出する必要はありません。

確定申告書Bと収支内訳書か決算書

領収書をもとに作成した確定申告書Bと、収支内訳書または所得税青色申告決算書を提出します。

領収書の他、納品書や銀行通帳の書類や、作成した帳簿は基本的に提出の必要はありません。

領収書は保存しておく

領収書は確定申告の提出用としては使いませんが、後に税務署の税務調査が行われる場合に、経費などを証明するために使われる書類なので保存しておきましょう。

確定申告が終わっても、領収書を捨ててはいけません。

領収書など個人事業に関する書類は、法律で7年間の保存義務があるとされています。

個人事業主が納める税金4種類

個人事業主が納める税金は、主に次の4つです。

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 個人事業税
  4. 消費税

個人事業主にとってメインの税金は所得税で、1年間のすべての収入(年収)から所得控除を差し引いた金額(課税所得金額)に課される税金です。

所得税は課税所得金額に対応した税率をかけて、計算をします。

年収や所得控除、税金の計算については、こちらの記事でも解説しています。

年収(額面)と手取りの計算方法|年収と手取りの違い

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確定申告をしていれば納税(納税)は問題なし

上記4つの税金は正しく確定申告をしていれば、特に申請は必要ありません。

住民税と個人事業税は確定申告をした後に、自治体の方から納税額と納税方法に関する通知が来ます。

必要経費になる税金とならない税金

税金は必要経費にはならないと思ってる方も多いかと思いますが、税金にも必要経費にできるものがあります。

ここで必要経費になる税金とならない税金を見てみましょう。

※横にスライドできます。

経費にならない税金 経費になる税金
所得税、住民税、相続税、贈与税、各種加算税、各種加算金、延滞税、延滞金、過怠税、罰金、過料、科料 事業税、事業所税、印紙税、不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税、ゴルフ場利用税、経由取引税、利子税

必要経費になる税金でも、実際に経費にできるのは事業と直越の関わりがあるものに限られます。

事業とプライベートの両方に限られる税金に関しては、按分計算をして納めることになります。

個人事業主の確定申告におすすめのソフト3つ

個人事業主が確定申告をするのにおすすめのソフトを3つ紹介します。

1つめの確定申告ソフト「やよいの青色申告」「やよいの白色申告」は14年連続で売上がナンバーワンで、登録ユーザー数が170万人を突破しています。

どちらのソフトも「かんたん・シンプル」に使える設計で、それほど知識のない初心者の方におすすめのソフトです。

プランによっては無料で利用できるプランも用意されています。

確定申告を税理士に依頼した場合の費用は?

個人事業主が確定申告を税理士に依頼した場合の費用は、税理士事務所によって異なります。

また白色申告と青色申告でも異なるので、それぞれの場合の費用の相場について、解説します。

白色申告の場合

個人事業主が白色申告で税理士に依頼した場合の費用は、5~10万円ほどが相場です。

青色申告の場合は白色申告の2倍程度が目安となりますが、「記帳代行の有無」や「売上規模」によっても変わるので、次の項で見てみましょう。

青色申告の場合

個人事業主が青色申告で税理士に依頼をした場合の費用は「売上規模」や「記帳代行の有無」によって、下表のようになります。

年間売上 報酬相場
記帳代行あり 記帳代行なし
500万円未満 5万円〜 10万円〜
500万円以上1000万円未満 7万円〜 15万円〜
1000万円以上3000万円未満 10万円〜 20万円〜
3000万円以上5000万円未満 15万円〜 25万円〜
5000万円以上 条件次第 条件次第

売上規模が多いとそれだけ、記帳の際の数字の計算や内容も複雑になるため、税理士に任せるという人も増えます。

また記帳代行以外の業務も依頼することになると、さらに費用が上がる場合があります。

税理士へ依頼する費用を抑えたいという方は、帳簿をつける作業までは自分でやるなど、税理士の方の作業を減らすよう努めましょう。

費用が気になる方は、複数の税理士に見積もりを出してもらうこともおすすめします。

個人事業主の確定申告の時期と期限(2019年)

いつからいつまで?

2019年(平成31年)の確定申告の時期は2月18日(月)~3月15日(金)までです。

2月18日(月)から期限となる3月15日(金)までの間に、2018年分の会計結果の確定申告をします。

ちなみに2018年の確定申告の時期は2018年2月16日(金)〜3月15日(木)であったのですが、年によって少しズレがあります。

期間内に申告しなかった場合は「期限後申告」

期間内に確定申告をしなかった場合は「期限後申告」となります。

期限後申告では遅れた日数分、延滞税(年利最高14.6%)または無申告加算税(最高20%)を納めることになります。

延滞税(年利最高14.6%)と無申告加算税(最高20%)は罰則的な税金で、本来の納税額に上乗せされる税金です。

白色申告と青色申告の違いは?

白色申告と青色申告の違いは、帳簿づけが簡単なものと難しいものの違いです。

どちらで確定申告をするかは、事業主であるあなた自身が選べます。

簡単な白色申告

簡単な帳簿付けで済ませられる白色申告は、所得が少ない方や、個人事業を始めてまだ間もない人に向いた申告です。

青色申告に比べ、確定申告の提出書類も少なくなります。

難しい青色申告

青色申告は白色申告に比べて、帳簿のつけ方が難しくなっており、所得や売上規模が大きい人が選ぶ傾向があります。

最高65万円の特別控除による節税など、白色申告にはつかない特典があります。

青色申告をする場合は税務署への事前申請が必要になります。

個人事業主は確定申告しないとどうなる?

確定申告は絶対にしなければいけない人と、してもしなくてもどちらでもいい人がいます。

まずは絶対に確定申告をしなければいけない人が申告をしないでいるとどうなるのか、4つのデメリットを見てみましょう。

確定申告をしない4つのデメリット

個人事業主が確定申告をしないで納税を怠っていると、次の4つのデメリットがあります。

  1. 延滞税の発生
  2. 無申告加算税の発生
  3. ローンが組めない
  4. 国民健康保険料が高くなる

それぞれ解説します。

1.延滞税の発生

確定申告をしないことで期限までに税金を払わないでいると、支払いまでに遅れた日数分の延滞税が発生します。

通常の納税額に利息が課されるわけですが、年利は最高で14.6%です。

2.無申告加算税の発生

期限後に確定申告をすると、元々の納税額に50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の金額となる無申告加算税が課されます。

しかし、申告期限から1月以内に自主的に納税をした場合は、無申告加算税は発生しません。

3.ローンが組めない

ローンを組む際の審査では、所得の証明をするために確定申告書を提出することがあります。

確定申告書がないとローンの必要書類が揃わないことになり、お金を借りることができません。

給与明細などその他の所得証明書で借りれるカードローンなどは大丈夫です。

4.住民税・国民健康保険料が安くならない

収入がそれほど高くない人は確定申告をすることで、計算上、住民税・国民健康保険料が安くなることがあります。

確定申告をしないでいると一定額が適用されるため、税金や保険料が安くならない場合があります。

確定申告が必要な人とそうでない人

確定申告は必ずしなければいけない人と、してもしなくてもどちらでもいい人に分かれます。

確定申告が必要な人とそうでない人を下の表にまとめました。

確定申告が必要な人 どちらでもいい人
・所得が38万円を超えた場合 ・所得が38万円以下の場合
・副業の所得が20万円以下の場合

所得が38万円を超えるか、それ以下であるかが、確定申告が必要かどうかのボーダーラインです。

なぜ38万円か?

なぜ所得が38万円以下の場合は、確定申告をしなくてもよいのか解説します。

所得税の計算は、所得から所得控除を引いた金額(課税所得)に定められた税率をかけて行います。

(所得-所得控除) × 税率 = 所得税

所得控除には誰にでも適用される基礎控除として38万円の控除があります。

つまり所得が38万円以下だと、課税所得がマイナスになるため所得税がかからないということになるのです。

所得が低くても確定申告をした方がいい

所得が38万円以下であっても、確定申告をすることで住民税や保険料が安くなる可能性があります。

少し面倒ではありますが、所得が低くても確定申告することをおすすめします。

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まとめ

確定申告のやり方について、申告書の内容や経費と税金の納め方などについて解説しました。

確定申告は面倒な作業ではありますが、税金や保険料が安くなったり、所得証明書が発行できるといったメリットもあります。

この記事が、あなたの確定申告が何事もなく円滑に進むことに一役買えたなら幸いです。