『あたなは貯金いくらありますか?』
なかなか、こんな質問できないですよね。
そこのページでは、各種データをもとに、20~60代の年代別・収入別に貯金額の「平均」や「中央値」について調べました。
平均と中央値の違いや、毎月の貯金額の目安なども解説します。
貯金額の平均と中央値
貯金額の平均と中央値について、簡単な例を使って解説します。
以下、5人の貯金額の平均と中央値を出すと仮定しましょう。
- Aさん 貯金額0円
- Bさん 貯金額20万円
- Cさん 貯金額50万円
- Dさん 貯金額100万円
- Eさん 貯金額1,000万円
平均の考え方
貯金額の平均とは、対象となる人全員の貯金額を合わせて、人数で割った金額になります。
つまり0+20+50+100+1,000=1,170
1,170÷5=234万円が貯金額の平均です。
平均の数値は、今回のEさんのように一人の貯金額がずば抜けて高いと、数値も高い方に引っ張られるので、参考になりません。
平均年収や貯金額のデータなどはまさにそれに当たります。
中央値の考え方
中央値は、統計で出たすべての数字を並べた時に真ん中にくる数値のことをいいます。
つまり今回でいうとCさんの50万円が中央値となります。
多くの人の貯金額の実態を知るには中央値で見た方が掴みやすいです。
大学生の貯金額の平均と中央値
2020年2月に大学4年生を対象に行われた貯金額の調査は、以下のような結果となりました。
0円 | 8.8% |
3万円未満 | 15.8% |
3万円~5万円未満 | 9.0% |
5万円~10万円未満 | 12.8% |
10万円~30万円未満 | 23.4% |
30万円~50万円未満 | 9.6% |
50万円~100万円未満 | 9.2% |
100万円~300万円未満 | 8.4% |
300万円以上 | 3.0% |
参照元:大学生と社会人1年生が口座を持っている銀行1位は「ゆうちょ銀行」、ネット銀行は4位
中央値は最も回答の多い10万円~30万円未満
貯蓄額の平均は57.2万円という結果になりました。
⇒ 低収入の大学生や20~40代の主婦でもできる「貯金の仕方」を解説
20代の貯金額の平均と中央値
20代の貯金額の平均値と中央値は、二人以上世帯と独身のデータに分けて、解説します。
二人以上世帯の貯金額の平均値と中央値
二人以上世帯の貯金額の平均値と中央値を年収別に見ると、次の表のようになります。
年収 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | 0万円 | 0万円 |
300万円未満 | 72万円 | 0万円 |
300~500万円未満 | 350万円 | 229万円 |
500~750万円未満 | 409万円 | 1万円 |
750~1,000万円未満 | 1028万円 | 450万円 |
1,000~1,200万円未満 | - | - |
1,200万円以上 | - | - |
20代は働き始めてから時間が経っていないこともあり、20代の前半と後半では差が出てしまいます。
また30代以上の人と比べると当然働いている期間も違いますし、収入の増減も影響するので、20代の貯蓄平均が一番少ないのは必然でしょう。
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成29年調査結果|金融広報中央委員会
独身の男女別の平均貯金額と中央値
独身の男女別の平均貯金額は平成26年のデータで、年収別にはなっていませんが、以下のようになります。
平均値 | 中央値 | |
独身男性 | 1,118万円 | 480万円 |
独身女性 | 1,279万円 | 679万円 |
独身の方がお金を貯めやすそうな感じはありますが、独身だから趣味にお金を使ってしまったり、二人世帯だからお金を貯めやすいなど、個々の事情により一概には言えないようです。
20代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合
20代で貯金がなし(ゼロ)という人ももちろんいますが、その割合は年収別にみると次のようになります。
年収 | 貯蓄なし |
収入なし | 100.00% |
300万円未満 | 61.50% |
300~500万円未満 | 25.00% |
500~750万円未満 | 41.20% |
750~1,000万円未満 | 0.00% |
1,000~1,200万円未満 | - |
1,200万円以上 | - |
20代では貯金なしの割合も、30代以上に比べ当然高くなります。
20代は働き始めてからの期間が短いことや、まだ若いうちは大丈夫と漠然と考えているなど、理由は様々です。
ただ、そうは言っても20代で貯金の習慣をしていべき、または貯金への「意識」だけでもするべきではないかと考えます。
「例えばケータイ代は、大手キャリアのスマホから格安スマホに切り替えるだけで大幅に安くなります。それをわかっていても『面倒だから』『時間がないから』と言い訳して切り替えないのが“貯まらない人”の特徴です。また、支出に対してズボラな性格の人も同様。例えば、電子マネーで“ちょくちょく買い”する。それもオートチャージにしていたら支出を把握しづらいですよね」
引用にあるように、ちょっとした工夫で固定費を削ることは可能です。
削った固定費を貯金に回す姿勢を20代からもっておいた方が、いざという時にお金に困る心配が減ります。
⇒ 主婦がお金を貯めるには?貯金・節約・管理するための10の方法
20代で500万以上を貯金している人の年収別の割合
少数ではありますが、20代で500万以上の貯金がある人もちらほらいるようです。
年収 | 500-700万円未満 | 1,000-1,500万円未満 |
収入なし | 0.00% | 0.00% |
300万円未満 | 0.00% | 0.00% |
300~500万円未満 | 12.50% | 2.50% |
500~750万円未満 | 5.90% | 0.00% |
750~1,000万円未満 | 0.00% | 0.00% |
1,000~1,200万円未満 | - | - |
1,200万円以上 | - | - |
一概に年収が高い人ほど貯金額が高いと言えない理由には、年収300~500万円未満の人が一番将来に不安を感じやすい状況にいるからかもしれません。
年収が高すぎず低すぎずの人が、将来やっているかどうかはやり方次第という認識が強いことが考えられます。
30代の貯金額の平均と中央値
30代の貯金額の平均と中央値ですが、2人以上の世帯だと以下の表のようになります。
年収 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | - | - |
300万円未満 | 165万円 | 10万円 |
300~500万円未満 | 394万円 | 150万円 |
500~750万円未満 | 542万円 | 320万円 |
750~1,000万円未満 | 729万円 | 496万円 |
1,000~1,200万円未満 | 1414万円 | 1100万円 |
1,200万円以上 | 2085万円 | 1574万円 |
30代は結婚や出産、住宅の購入などのライフイベントが多い時期です。
30代で独身の人も多いですし、子供がいるかどうか、または子供の人数など、個々のケースを考えると、同じ30代でも大きな開きがあることが予想できます。
総務省が2018年5月18日に公表した家計調査報告では、20~30代は40歳未満という括りになっており、平均貯蓄額602万円、負債現在高(借入金)1,123万円となっています。
総務省の統計では年代別の中央値が出されておらず、金融広報中央委員の統計の方が細かくなっています。
30代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合
30代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合は以下の表のようになります。
年収 | 貯蓄なし |
収入なし | - |
300万円未満 | 46.00% |
300~500万円未満 | 38.50% |
500~750万円未満 | 16.90% |
750~1,000万円未満 | 22.90% |
1,000~1,200万円未満 | 0.00% |
1,200万円以上 | 10% |
30代でも貯蓄がゼロの人が意外に多いように感じますが、ライフイベントの多い30代は個々のケースで様々です。
個人的には、30代で貯蓄ゼロというのは将来的な不安がかなり大きのではないかと考えます。
30代で500万以上を貯金している人の年収別の割合
30代で500万以上を貯金している人の割合を年収別で見てみましょう。
年収 | 貯蓄500-700万円未満 | 貯蓄1,000-1,500万円未満 | 貯蓄1,500-2,000万円未満 | 貯蓄2,000-3,000万未満 |
収入なし | - | - | - | - |
300万円未満 | 2.00% | 6.00% | 0.00% | 0.00% |
300~500万円未満 | 9.60% | 4.50% | 1.30% | 0.00% |
500~750万円未満 | 8.50% | 6.90% | 3.80% | 3.10% |
750~1,000万円未満 | 17.10% | 11.40% | 0.00% | 2.90% |
1,000~1,200万円未満 | 0.00% | 16.70% | 16.70% | 0.00% |
1,200万円以上 | 20.00% | 0.00% | 10.00% | 20.00% |
貯蓄が1,000万以上となると割合も低くなりますが、年収500万円未満の人でも貯蓄が1,000万以上の人が一定数いるとなると、貯蓄ができるかどうかは個人の問題であるとも言えそうです。
40代の貯金額の平均と中央値
40代の貯金額の平均と中央値を年収別に見ると、二人以上世帯では以下のようになります。
年収 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | 0万円 | 0万円 |
300万円未満 | 161万円 | 0万円 |
300~500万円未満 | 353万円 | 101万円 |
500~750万円未満 | 680万円 | 410万円 |
750~1,000万円未満 | 1197万円 | 1015万円 |
1,000~1,200万円未満 | 1698万円 | 1100万円 |
1,200万円以上 | 2015万円 | 2300万円 |
40代となると時間をかけてお金を貯めてきた分、30代よりもさらに貯金額が増えます。
しかし、300~500万円未満の方の貯金の中央値が101万円ということから、40代でも家計が厳しい人がいることも見て取れます。
40代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合
40代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合は以下のようになります。
年収 | 貯蓄なし |
収入なし | 0.00% |
300万円未満 | 60.90% |
300~500万円未満 | 38.00% |
500~750万円未満 | 27.50% |
750~1,000万円未満 | 18.70% |
1,000~1,200万円未満 | 10.30% |
1,200万円以上 | 12.50% |
300万円未満、300~500万円未満で貯金がゼロという人が意外に多く、40代でも将来のための貯金に関してはかなり厳しいことがわかります。
40代で1,000万以上を貯金している人の年収別の割合
40代で1,000万以上を貯金している人の年収別の割合は、次のようになります。
年収 | 1,000-1,500万円未満 | 1,500-2,000万円未満 | 2,000-3,000万円未満 | 3,000万円以上 |
収入なし | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
300万円未満 | 3.10% | 0.00% | 1.60% | 0.00% |
300~500万円未満 | 3.90% | 1.70% | 1.10% | 1.10% |
500~750万円未満 | 13.10% | 3.50% | 5.70% | 1.70% |
750~1,000万円未満 | 17.60% | 13.20% | 11.00% | 7.70% |
1,000~1,200万円未満 | 10.30% | 6.90% | 10.30% | 17.20% |
1,200万円以上 | 12.50% | 0.00% | 37.50% | 25.00% |
年収が高くなるほど、1,000万以上を貯金している人の割合も高くなりますが、300万円未満の人でも少数ではありますが、しっかり貯めれている人はいるようです。
40代からでも資産運用を始めるなど、できることから始めましょう。
50代の貯金額の平均と中央値
50代の貯金額の平均と中央値を年収別に見ると、二人以上世代では以下のようになります。
年収 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | 0万円 | 0万円 |
300万円未満 | 409万円 | 0万円 |
300~500万円未満 | 583万円 | 160万円 |
500~750万円未満 | 999万円 | 500万円 |
750~1,000万円未満 | 1812万円 | 1275万円 |
1,000~1,200万円未満 | 2198万円 | 1455万円 |
1,200万円以上 | 3517万円 | 2382万円 |
50代になると、早い人で住宅ローンを払い終える人が出てきたり、親の介護が始まる人もいたり、状況は人によって変わります。
50代の貯金に関して全体的に見ても、余裕があるといえる人は少ないのではないかと思います。
50代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合
50代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合は、以下のようになります。
年収 | 貯蓄なし |
収入なし | 100.00% |
300万円未満 | 60.70% |
300~500万円未満 | 36.80% |
500~750万円未満 | 29.20% |
750~1,000万円未満 | 18.90% |
1,000~1,200万円未満 | 10.00% |
1,200万円以上 | 9.40% |
50代で且つ年収が高くても、貯金がゼロという人はいます。
貯金に回すお金があったとしても、収入が入るとほとんど使ってしまう人も一定数いるということです。
50代で1,000万以上を貯金している人の年収別の割合
50代で1,000万以上を貯金している人の年収別の割合は以下のようになります。
年収 | 1,000-1,500万円未満 | 3,000万円以上 |
収入なし | 0.00% | 0.00% |
300万円未満 | 3.60% | 1.80% |
300~500万円未満 | 9.00% | 2.60% |
500~750万円未満 | 10.20% | 6.80% |
750~1,000万円未満 | 10.40% | 17.00% |
1,000~1,200万円未満 | 11.70% | 20.00% |
1,200万円以上 | 9.40% | 40.60% |
年収1,200万円以上の人になると、貯蓄が3,000万以上の人が40.60%まで増えます。
老後の不安を考えると、最低でもこのぐらいの貯金額は欲しいところですが、一般的にはかなり厳しい数字です。
60代の貯金額の平均と中央値
60代の貯金額の平均と中央値を年収別に見ると、二人以上世代では以下のようになります。
年収 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | 1022万円 | 0万円 |
300万円未満 | 1005万円 | 300万円 |
300~500万円未満 | 1346万円 | 800万円 |
500~750万円未満 | 1635万円 | 1080万円 |
750~1,000万円未満 | 2478万円 | 1700万円 |
1,000~1,200万円未満 | 3600万円 | 3150万円 |
1,200万円以上 | 4299万円 | 3213万円 |
60代となると定年退職で収入がなくなる人が増えます。
一方で自営業で仕事を続ける人なら収入は継続しますし、不動産など若い頃に作った資産で不労所得を得ている人もいます。
60代の年収別で貯金なし(ゼロ)の割合
年収 | 貯蓄なし |
収入なし | 60.00% |
300万円未満 | 37.80% |
300~500万円未満 | 25.70% |
500~750万円未満 | 18.10% |
750~1,000万円未満 | 8.50% |
1,000~1,200万円未満 | 16.70% |
1,200万円以上 | 15.40% |
60代でも貯蓄がないという人はかなりの割合でいて、年収が1,000万円を超える高収入の人ですら貯金がないこともあるようです。
60代で1,000万以上を貯金している人の年収別の割合
60代で1,000万以上を貯金している人の年収別の割合は、以下のようになります。
年収 | 1,000-1,500万円未満 | 3,000万円以上 |
収入なし | 0.00% | 10.00% |
300万円未満 | 6.70% | 13.00% |
300~500万円未満 | 10.80% | 13.90% |
500~750万円未満 | 14.20% | 18.10% |
750~1,000万円未満 | 14.90% | 31.90% |
1,000~1,200万円未満 | 4.20% | 54.20% |
1,200万円以上 | 11.50% | 50.00% |
60代でも貯金ゼロの人がいる一方で、年収に関わらず3,000万以上貯めている人もいます。
60代となると、20代で働き始めてから40年間ほどの貯金期間があるわけですが、その人の人生で起きたイベントやライフスタイルによって、一様ではないと言わざるを得ません。
毎月の貯金額の平均・目安
毎月の貯金額の平均・目安のデータは具体的には出ていません。
また月々いくらを貯金に回せるかというのは、収入や個人の事情に応じて人それぞれなので、具体的な数字で平均を出すのは難しいです。
今回は平均年収や調査結果の分析から、毎月の平均貯金額の目安を出したいと思います。
年収の約10~15%という回答が多い
貯金額に関して、令和元年の金融広報中央委員会の調査で一番多かった回答は、年収(手取り)の約10~15%を貯金に回すというもので、全体の約20%ほどとなっています。
全国の平均年収487万円で考えるなら、10%で48万7千円、15%で73万500円となります。
10%の48万7千円と15%の73万500円をそれぞれ12ヶ月で割ると、毎月の貯金額の平均・目安は約4万1千円~6万1千円ということになります。
参照元:各種分類別データ(令和元年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)|知るぽると
ライフステージに応じた理想の貯金額
あなたが気になっている理想の貯金額ですが、概して平均を少し上回る、収入の10~20%が理想的と考えられています。
もちろん貯金額は多ければ多いほどいいのですが、貯金は無理のない金額で継続できるということが重要なポイントです。
ここでは理想の貯金額を考える上で、結婚や子育て、老後に備えた貯金がいくら必要なのか見てみましょう。
結婚に必要な費用
結婚では式と披露宴、新婚旅行などでかかるお金は450万円ほどが一般的です。
招待客からもらえるご祝儀や家族の援助を合わせると250万円ほどになるのが平均的ですが、そうなると200~250万円ほどは、自分で用意しなければいけません。
子育ての費用や教育費
子育ての費用に関しては、0~6歳までにかかる年間の子育て費用(食費、医療費、生活用品など)は100万円ほどという内閣府のデータがあります。
児童手当の利用など対策はありますが、やはりいざというときの貯金は避けられないでしょう。
また教育費を中心に考えると、公立や私立といった進路状況によって、幼稚園から大学までの教育費は1,015万円~2,465万円ほどかかることになります。
教育費についても、お子さんの幼少期の頃から時間かけてコツコツと貯めておく必要があります。
老後に備えた貯金
老後に備えた貯金としては最低でも5,000~6,000万円が必要といわれています。
その根拠ですが、老後生活が65~90歳まで25年間(300ヶ月)あるとしましょう。
老後の夫婦生活は最低でも月に20万円はかかるとされます。
20万円が300ヶ月かかるとなると
20万円 × 300ヶ月 = 6,000万円
という計算になります。
もちろん90歳まで生きられない人も多くいますし、優雅な老後を過ごすともう少しお金がかかるでしょうし、個人のケースによりますが、少なくとも5,000~6,000万円は老後の貯金として考えておく必要があります。
まとめ
20~60代の貯金額の平均と中央値について調べました。
年齢が上がるにつれ、貯金額が上がるのは自然の傾向としてありますが、それほど年収が高くなくいてもしっかり貯めてる人もいます。
逆に年収が高くても貯めれていない人もいますし、高齢の方でも貯蓄がないという人もいます。
貯金額の平均とはいっても、年収の高さや家族構成、ローンや家賃の有無など状況によって、同じ年代の人でも大きな差があります。
将来のためにも、まずはあなたの収支を確認して、どうやったら貯金に回せるお金を作れるのかを考えることから始めましょう。